Latexの書き方と基本的な機能
初めに
Latexを書く上で基本的な部分を説明していきます。
documentclass
latexを書き始めるにあたり必要となります。
% \documentclass[オプション]{文書クラス} \documentclass[a4j,12pt][jarticle]
これは、紙の初期設定を決めます。 例のオプションでは、a4の紙に日本語で書くこと、文字の大きさは12ポイントを使うことを指定します。
文章クラスでは、この文章が何のための文章(論文、報告書、本)なのかを示すものになります。文章クラスにより使えるもの(section,chapter)が変わってくるので注意しましょう。(詳しくはこちらをクリック)
例では、日本語の論文であることを示しています。
以下に文章クラスで基本的なクラスを紹介します。
役割 | クラス |
---|---|
論文,記事 | article |
報告書 | report |
本 | book |
ここに日本語を意味する"j"等が先頭につきます。
begin,end
beginとendはこの中で今から〇〇をしますということを宣言します。(例: 5章目を書きます、数式を書きます、図を入れますetc)
% \begin{やること} % \end{やること} \begin{section} \end{section}
例では、新しい章を始めることを意味しています。
Latexの用語的には環境といい、例のものをsection環境といいます。
document
これはここから文章を書くことを意味します。 つまりこの中に文章を書いていきます。
\begin{document} \end{document}
usepackage
usepackageではLatexのデフォルトでは入っていない機能,環境を入れていきます。
\usepackage{}は\documentclass[]{}と\begin{document}の間に書きます。
% \usepackage{入れたい機能,環境} \usepackage{url}
例では、urlの機能(簡単に書く機能)を入れています。(urlには特殊文字が多く含まれるためそれを無効化してくれます。一部無効化されませんが...)
コメントアウト
コメントアウトとはこの文章を「一回消したい!けど後で使うかもしれない」といったときに一時的に文章をないものとしてくれる便利機能です。
使い方は簡単でコメントアウトしたい行の先頭に"%"(パーセント)を付けるだけです。
実は、先ほどから度々登場しています。
数式
∫や...(ドット3つ)は検索された方が早いと思われるので割愛します。
インラインモード
インラインモードとは文中に数式を入れる形式です。もし数式を1行で表したい場合にはディスプレイモードの方を参照してください。 インラインモードにはいくつかの書き方が存在しています。
- $数式$
- (数式)
- math環境
% $数式$ $ a+b=c $
% \(数式\) \(a+b=c\)
\begin{math} %数式 a+b=c begin{math}
ディスプレイモード
ディスプレイモードとは数式の前と後で改行をして表示するやり方です。数式に番号を付けたい場合にはディスプレイモード(番号付き)を参照してください。 ディスプレイモードにはいくつかの書き方があります。
- $$数式$$
- [数式]
- displaymath環境
% $$数式$$ $$ a+b=c $$
% \[数式\] \[a+b=c\]
\begin{displaymath} %数式 a+b=c begin{displaymath}
ディスプレイモード(番号付き)
番号付きの数式にはいくつかの書き方があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
equation | 1つだけ書けます |
eqnarray | 複数書くことができます |
\begin{equation} % 数式 a+b=c \end{equation}
\begin{eqnarray} % 数式\\ % 数式 a+b=c\\ x*y=z \end{eqnarray}
※eqnarrayを使う際には、一番最後の行以外の行の最後の"\"を付けます。(改行を意味します。)
指定の位置で合わせる
複数の行を=等の指定の位置で揃えたい場合には"&"を使います。
\begin{eqnarray} a+b&=c\\ x*y&=z \end{eqnarray}
中央に寄せる
中央に寄せたい際にはgatherを使います。
\begin{gather} a+b=c\\ x*y=z \end{gather}
新しい書き方(align)
eqnarrayより、alignの方が新しい記述になっています。一部性能が違いますがalignの方が優れていると私は思っております。この際、\usepackage{amsmath}が必要となります。
\begin{align} a+b=c\\ x*y=z \end{align}
その他の数式について詳しい記述はこちら qiita.com
参照
参考文献
参考文献の書き方は以下のようになります。
% \cite{好きな文字} こちらは参考文献のやり方で\cite{test}。 % ---参考文献の欄------ \begin{thebibliography}{99} \bibitem{test} ,aさん『参考文献の本』,test社(2017) \end{thebibliography}
まず、\cite{}の中になにを参考にしているのかわかりやすい文字を入れましょう。
文章には表示されないため自分がわかりやすい名前にするのがよいでしょう。
\begin{thebibliography}{99}で参考文献が始まることを定義しています。99は99個以下の参考文献があることを示しています。
数式の番号の参照
数式の番号を参考にしたいときには以下の2つのやり方があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
ref | 数字だけ表示します |
eqrf | 数字を()でくくって表示します |
やり方
- 参照したい数式の行の一行上に\label{}を付ける
- \ref{}または\eqref{}を使って表示する
\usepackage{amsmath} \begin{align} % \label{好きな文字} \label{test1} a+b=c\\ \label{test2} x*y=z \end{align} % ---参考にしたい場所---- \ref{test1}は\eqref{tset2}を用いています。 % -----下のように表示されます。↓ % 1は(2)を用いています。
数式環境に\begin{align}を用いましたが、番号付きディスプレイモードの数式であればなんでも大丈夫です。 まず、\label{}の中になにを参考にしているのかわかりやすい文字を入れましょう。
文章には表示されないため自分がわかりやすい名前にするのがよいでしょう。
おまけ
改行後の字下げを消す
Latexでは2回改行すると強制的に字下げが入ります。しかし、字下げをしたくないときは\noindentを使います。
下が字下げされない
\noindent
字下げされてない!!
空白の行を入れる
Latexでは2回改行をしても空白の行を入れることができません。その際に\vskip\baselineskipを使います。
空白の行が欲しい!!
\vskip\baselineskip
yattaze!
意味は、\vskipをスキップしますです。つまり縦方向に空白を入れる。どのくらいを後述します。
\baselineskipは1つ分の行をという意味になるため、合わせることで一つ分の行を空けて!という意味になります。